羽のある鳥は鳴き続ける
「裕君、もう逃げて」
燃え盛る火炎の中でアイツの声が響き渡る。
「私の分まで生きて、早く逃げて」
淋しく笑ったその顔が心を締めつけてくる。
「早く逃げて!!!!!!!」
「……ごめん」
逃げてしまった。
俺はどうすることもできなかった。
全力で走る俺の背後で、建物が崩れる大きな音がした。
そこからの記憶はあまり無い。
2ヶ月ほど前、世界が唐突に崩壊した。
これまでにないほどの大地震、そして落雷による大火事、原因不明の病の大量流行、とやりたい放題の人類に神様が痺れを切らして天罰を下したとしか思えないような事が立て続けに起こった。
そしてこの2ヶ月、俺以外の生きている人間を見つける事は出来なかった。
本当に人類は滅亡してしまったのか。
一瞬目眩が起き、俺はその場に倒れ込んだ。
ここ数日身体が言う事を聞かないのだ。
ようやく俺も死ねるのか。
アイツと会えるのか。
ふいにアイツの言葉が脳裏に浮かぶ。
「私の分まで生きて」
もう無理だよ。俺一人だけなんて限界だよ。
人の温もりが、欲しい。
最後に、人に会いたい。
そう思いながら目を閉じたその時、
……!
今、人の声がした……!
幻聴じゃない!明らかに人の叫ぶ声が聞こえた!
人に会いたい、その気持ちが俺を奮い立たす。
一歩ずつ、一歩ずつ。
俺は再び声のする方へ歩き始める。
……やっぱり幻聴じゃない!
声はだんだんと大きくなっていく。
もう少し、もう少しだ。
死んでもいい。
死んでもいいから、人に会いたい。
あの崩れたビルの中だ。
最後の力を振り絞り、ビルの中に入っていく。
そこで目にしたものとは──────────
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羽鳥アナ、まだゴチのピタリ賞溜めてるんだ